恐怖のナイトハイク@雲取山

雲取山の下山は諸々の事情により、途中で真っ暗になってしまいました。
もう1泊して朝帰ろうか、とも思ったのですが、次の日仕事もあったし
暗くなったらライトを点けて歩けばいい、と思って下山を決めました。
日が落ちてから歩いたことも何度もあるし、大丈夫大丈夫!!


でも!!日が暮れてから気づいたことは、
「日が落ちてから誰かと歩いたことはあるけど、ひとりで歩くのは初めて。」
ひとりだと、怖いんですよね。心臓がドキドキしてきました。
ちょうど、三条の湯から竿裏峠へ着くころに日が落ちて、
竿裏峠の看板のあるところがはじめ、わからなかったので、
いっそのことここで幕営しようか・・と思ったのですが、
そしてその後はずっと狭い登山道と斜面なので、
テントを張るなら最後のチャンスだったのですが、
なにしろ決断力のないもので、どうしようどうしよう、
と思いながらも歩き続けてしまったのです。




いやだなあ、と思っていると突然そこの茂みで
「ガサッ」と何かが動き、「グルル」と動物がのどを鳴らす声が。
ひゃ〜!!熊だったらどうしよう!!
と暗闇を照らし見ましたが、何も見えません。
向こうからは私が見えているんだろうけど・・・・。
とりあえず、大きな木の根元に突っ伏してじっと息を殺していました。
ちょっとしてソロソロと歩こうとすると、「ガサ、ガサ」
また木の根元に突っ伏し、待機。
こうやって朝までってわけにもいかないよな・・と思っていると
しばらくして、ゆっくりと枯葉を踏みながら去って行きました。
そしてそれとは少し違う方向からのような気もしましたが、
キューンと鹿のひと鳴きが。
さっきのグルルも鹿だったってことにして下山を急ぎました。



それからは怖くて怖くて、足はガクガク、
心臓はドキドキというよりギュッと縮んだ感じ、
まったく生きた心地がしませんでした。
ビバークする羽目になって胃に穴があく人も
いる、と何かで読んだことがありますが、
すごくわかる!!怖ろしすぎて涙も出ない。
なんとか無事にたどりつくことを願って
ひたすら歩き続けました。
笛をピーピー鳴らしながら。





なんとか里に下りて、駐車場まで戻り
お湯を沸かしてコーヒーを飲み、はとさぶれを
食べたときの安堵の味は一生忘れられないと思います。




今回の教訓は、「暗くなったらひとりでの行動をやめる。」
身をもって体験いたしました。