残雪の木曽駒が岳

caramelmaffin2011-05-21
木曽駒が岳に行ってきました。地震があったり放射能の心配をしたりで中断していた、韓国山行カフェの定期山行です。2ヶ月ぶりの定期山行の参加者は私も入れて10人。私はカフェの告示をみて悩みました。
今回の幹事さんの意向では『春に雪を踏みたい』ということで、大きい山のなかでは比較的楽な木曽駒が岳を選んだ、ということでした。私は今シーズンすでに十分雪を踏んでいる感があったので、そろそろ春の山・・・・と思っていたことがひとつ。
行程が、なんと夜中出発で明け方到着、そのまま仮眠をとって登山開始、というハードなものだったことがひとつ。そんな無茶なことが果たして私にできるのかどうか、とても疑問でした。いつも列の最後からハアハアいいながらついていく有様ですから、ちゃんと寝ないまま山に登るなんて言語道断!
ですが、木曽駒が岳は前から行きたい山だったことを考え、(厳密に言うとお花がたくさんの木曽駒が岳に行きたかったのですが)行きたい山に行くチャンスが来たのだから行くべし、と自分に言い聞かせて決心しました。
夜中出発問題は、前の日休みをとって昼間寝ることにしました。実際には食べるものを大量に作ったりして、昼間寝たのは1時間半、夜出発の前には目が冴えて眠れず、2時間ほどただ横になっていただけなのですが・・・・。行きの車の中では久しぶりに会った山友さんたちとあれこれ話していて寝られず、到着してから2時間くらいぐっすり寝ただけです。
で、どうだったかというと、意外と平気、いえそれどころか、自分でも驚くほど調子がよかったのです。息切れなんて知らない私に変身して、斜面をズンズン登っていくことができたのです。
これにはいくつか思い当たることがありまして、
1.ここ何ヶ月か頻繁に山に通っていたこと。
2.登山入門の本で読んだとおり、前の日に水分をたくさん取るようにしたこと。
3.ヨガ教室で習った瞑想をしておくと、わりと睡眠時間が足りなくても大丈夫なこと。

そして、最大の理由と思われるのは、
4.濃縮紅参エキスを飲んでおいたこと。

これについては後日記事をアップしたいと思います。乞うご期待!











で山行の話ですが、21日の0時半にみんなは新宿から出発、私は1時に出発、2時ちょっと過ぎに中央自動車道の途中で合流して、菅の台バスセンターには3時半に到着。そのまま仮眠をとって5時半ごろから朝食。辛ラーメン、ミニおにぎり、韓国のモチ、キムチ、イカのキムチ、わかめとレタスとキムチのサラダ、白いご飯、コーヒーなどなど。
7時の始発バスでしらび平まで50分。8時33分のロープウエイで千畳敷へ。
★これから登る山です。

★冬登山の支度をするメンバー。

9時に登山開始。アイゼンは軽アイゼン不可ということで、アイゼン大尽(?)が10本爪を貸してくれたのですが、初めに私に貸そうとしてくれたものが私の靴に合わず、別の人用に持ってきたものが私に回ってきました。その人34歳男子は、自前の4本爪で登ることになってしまいました・・・。けっこうツラかったようです。ごめんなさい。
★カフェへ行って拝借してきた写真です。撮影:マナくん

★下を見るとさっきのロープウエイの建物がこんなに小さく。

★上を見ると・・・

しばらくザックザックと雪を踏みながら登っていると、急に列の後ろから「어...」という声とともに滑り落ちていく35歳女子。。。。みんな口々に「止まれ!」と叫びますが、なすすべがないようでどこまでも滑っていきます。そのうちなんとか止まりましたが、座ったままです。近くにいた知らない人が話しかけてくれていましたが、なかなか立ち上がりません。私は彼女の足が折れたかどうかしちゃったんじゃないかと思って怖くなりました。
大学時代にヒマラヤ経験アリの男子が、「みんなゆっくり先行ってて。」と言いながらザックザックと下りて行きました。しばらく二人で話をしていましたがまだ彼女は立ち上がれない様子です。私たちはぼちぼち登ることにしました。
それまでそれほどでも怖くもなかった急斜面が、突然傾斜が増したように思えてきて、彼女のことも心配だし、自分が同じように足を滑らせて落ちる姿を想像して怖ろしくなるし、これを帰りにまた降りなければならないんだということを考えてしまったり、今までの短い登山人生で最も怖ろしい時間でした。みんなは怖くないのか、のんきに冗談を言ったり、おしゃべりしながら登っていきます。怖いけど努めて明るくしてたのかなあ?それとも本当に全然怖くなかったのかなあ?

★どうにかこうにか極楽平に着きました。素晴らしい眺めに、さっきの恐怖はもう忘れてご機嫌です。

★すごいところです。宝剣岳

くるみブレッドにマスカルポーネをはさんだの2本、(こんな甘いの食べるかなあ?)と持って行くかどうか迷いましたがここで配布。みんなけっこう小腹がすいていたのでおいしそうに食べてくれました。四方をバックに写真もたくさん撮りました。あとで見たらなぜか自分が全部同じ表情をしていました。

★いよいよ出発です。

★岩場を登ったり下ったり・・・・・

★宝剣岳に到着しました。バンザーイ!マンセー!

★ロープウエイ乗り場はもはや手の届かない場所へ・・・・

★岩からゼッタイ離れまいとする女。撮影:マナくん

撮影:山荘主人さま

★仕方ないので岩からちょっとだけ離れてよじのぼっている女。撮影:マナくん

★まるで人の顔みたいに見える岩。

★中岳を過ぎて、駒ケ岳へ向かう道(だったよね?)

駒ケ岳頂上に着いたのは13時。待ちに待った昼食です。またまた辛ラーメン、ミニおにぎり、福袋、韓国のモチ、きゅうりとにんじんんとパプリカの浅漬け、白いご飯、いわのりの佃煮、カレーキムチスパゲティ、ワインひとくち。
集合写真を撮って、下山開始は2時。帰りは乗越浄土から降ります。

★雪のあるところの手前でアイゼンをつけます。私に10本爪アイゼンを譲ってくれた彼はなんと、途中で4本爪のアイゼンの片方を無くしてしまい、大ピンチ!!!片足だけ4本爪という危険な装備で下山しなければならなくなりました。

★目線を正面に向けると、こんな絶壁。

下りは登りよりも怖かったです。足で雪を固めながら一歩一歩体重を乗せていきました。片足4本爪の彼は、3倍以上の時間がかかっていました。途中でひとりが滑ってしまったのですが彼はおしりで滑って行き、遠くから見ていた私たちはたまたま滑ってしまったのではなく、エンジョイしているように見えました。
それで「もう少し傾斜がゆるくなったら私たちもやってみる?」「ええ?どうする?」などと話しながらおっかなびっくり下りて行きました。上からスキーの人たちが来て、私たちの上で止まった時は、(私たちを轢いていかないで!)と叫びたい気分でしたが、ひゃーひゃー言っている私たちに、「アイゼンしてるなら大丈夫だよ!アイゼンを信じて行きなさい。」と励まされてちょっと安心しました。
そして、身も心も疲れ果て、傾斜もやや緩くなった頃、この辺で滑ってみる?という一言で思い切っておしりをおろしました。
写真がないのが残念ですが、「キャー!」面白かった!座って足を伸ばした姿勢だと、止まりたい時は肘でブレーキをかければいいということを体得しました。でも水分をたくさん含んだ雪で、防水じゃない手袋はびしょびしょになってしまいました。
そして、朝落ちてしまった彼女は、パニックになっただけで怪我はなく、付き添った彼は私たちを追って登ったのですがなぜか会えず、ひとりで先に下山して、二人で私たちが遭難したんじゃないかとヤキモキしていた、というオチがありました。
登山終了は4時過ぎ。4時半の下りのロープウエイに乗り、バスに乗り、駐車場で車に乗って帰りました。